踊るサテュロス

東博へ「踊るサテュロス」を見に。
表慶館の左側から入ると正面奥にサテュロスの後ろ姿が見えて、手前の写真パネルはろくに見ずに突進。円形の部屋の中央にサテュロス、壁際の一段高い台とすぐ近くの２段構えで観覧出来る順路になっていました。リーフレットでは解らなかったのだけど両手と右足が無くて頭部も欠損しているし、肉感的で躍動感はあるけれども門外不出のイタリアの至宝というのは言い過ぎでは？という第一印象。

ぐるっと回って前室の模型とパネルをじっくり読む。シチリア沖で漁船の網にかかって引き上げられ４年かけて調査修復されたらしい。サテュロスというのは酒飲みバッカスの従者で損失されている両手には酒の壺と杖を持っていたであろうと思われる。制作年代は紀元前2-3世紀。ここで、ワタクシ固まりました。紀元前3世紀ですと！あのちょっとあっさりしたルネッサンス彫刻って感じの金属の像が紀元前３世紀。イタリア文化の底力に完敗ですわ。

ヨーロッパは政治に外国が入ると文化は基本を根底に残したまま融合して変化して繋がって来たのかなというイメージ。日本は外圧が入ると自文化を否定して全て相手にすり寄ってしまった。そこがやっぱり弱いんだな。