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2009.02.23

田渕俊夫展

智積院の講堂の襖絵の展覧会です。詳細はこちら

日曜美術館で、例えば桜を描くのは花を描いていくのではなく、幹や影の部分を墨で書き込んでいく事で、無色の部分が花として浮き上がってくるという制作過程を見て興味を持ちました。

余白をたっぷり取ってあるので、白いという第一印象でしたが、じっと見ていると水墨画なのに色が見えてくるんです。夏の欅の緑の葉に反射するギラギラした白い直射日光、春は桜の淡いピンクと空のパステルブルー。秋は金色の日差しにススキが銀色に光っていて、冬は深い山にしんしんと雪が降り積もる音が聞こえてくるようで。

あと、水墨画で朝と夕を書き分ける不思議さ。横山大観の作品にも水墨画で朝と夕を描き分けているものがあると聞いた事はあったのですが、こういうことなのかー、と思いました。なんというか、朝の絵の白は夜明けの朝霧で、夕の白は日が沈んで暗くなる前の一瞬の最後の光の名残。

本物見たいけど、智積院で公開はなかなか無いだろうなあとあきらめていたので、全国の高島屋を巡回しているなんて知らなかった。日本橋のときに知ってれば近かったし母がチケットを持っていたらしい。惜しい事をした。

私の中では智積院といえば、等伯の楓というイメージですが、それとは対称的です。智積院で公開される機会があったら是非、現地で見てみたいです。デパートで感動したんだから、もっとすごいスケール感を感じられるんだろうな。

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